シャドーハウスの主人公であるエミリコは、ケイトに仕える”生き人形”です。
”偉大なるおじい様”によって精巧に作られたとされる”生き人形”ですが、空腹を覚えたり痛みを感じたり、その姿はまるで「人間」そのもの。
こちらの記事を読むと”生き人形”の正体や、洗脳方法、生活の仕組みについて分かります。
この先ネタバレを含みます。
なるべくストーリーのネタバレは避けて解説していますが、何も知りたくないという方はご注意ください。
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Contents
生き人形とは
”生き人形”の正体は人間です。
”生き人形”自身もシャドーも、”生き人形”は”偉大なるおじい様”によって作られたと信じ込んでいますが、実際のところは人間です。
生き人形はどこから来たのか
”生き人形”は、シャドーハウスの近辺に点在する村から連れてこられました。シャドー家のものが定期的に物色し、子どもたちを連れ帰っているのです。
近隣の村は日常的に「すす炭」の「すす」を吸っているため、正常な思考回路を持たず扱いやすい状態となっています。
そのため、シャドー家に子どもが仕えることは名誉なことであると感じているのです。また、シャドー家に行くと裕福な暮らしが出来ると信じています。
生き人形は記憶を失っている
シャドーハウスに連れてこられた人間は、「すす入り」の”特別な珈琲”を飲まされることで催眠状態にされ、一時的に記憶を失わされます。
目が覚めた部屋には「生き人形への説明書」が置いてあり、館への忠誠心や”生き人形の存在意義”を学ぶのです。
しかし記憶は完全に失っているわけではありません。”特別な珈琲”を摂取しないことで徐々に洗脳が薄れ、「人間だったころ」の記憶を思い出す生き人形もいます。
顔の見えない人形の正体
ご飯や洗濯済みの服を運んでくる「顔の見えない人形」は、”お披露目”試験に不合格だった”生き人形”であり、つまり彼らも人間です。
”お披露目”試験に通らなかったシャドー(お影様)は処分されます。つまり”生き人形”は主人を亡くしているので、主(あるじ)が死んでしまって喪に服している状態というわけです。
”生き人形”やシャドーが話しかけても「顔の見えない人形」は反応しません。なぜ言語を発しないのかは単行本7巻の時点では明らかにされていませんが、珈琲による洗脳だと推測されます。
生き人形はどうやって洗脳されるのか
”生き人形”は「偉大なるおじい様」の「すす」を使った、特別な珈琲を飲まされることで催眠状態にされます。
そしてシャドー家のルールを復唱し、無意識の深層に記憶させることで洗脳されている状態となります。
「すす入り」の「特別な珈琲」は”生き人形”にのみ作用し、シャドーには効果がありません。
珈琲はいつ振舞われる?
珈琲は”顔つき”つまり成人として認められると、みんなに振舞われます。”お披露目”直後に、ケイトやエミリコ達はカップ一杯分の珈琲を飲みました。
その後は1週間に1度開催される「喜びの会」にて、スプーン1杯分の”珈琲”が支給されます。また、生き人形として連れてこられる時や、「顔の見えない人形」として再利用されるときも珈琲を飲まされます。
珈琲は”偉大なるおじい様”が唯一”生き人形”に与えるものでもあるため、多くの”生き人形”は感謝し、特別なものと考えています。
喜びの会
おじい様のすす入りである「特別な珈琲を」飲む会は「喜びの会」と呼ばれ、成人したこどもたちへのご褒美として週に一度開催されます。
「喜びの会」では、生き人形はシャドー家の道具であること、”顔”は自分の考えをもつものではないこと…等と言ったシャドー家のルールをみんなで復唱します。
無意識の深層に「生き人形はシャドー家に使えることが幸せである!」という考えを植え付けるのです。
珈琲の効能
- 飲めば不安が無くなる
- 思考の塗り替えが可能
- 短時間の記憶を消すことも出来る
特別な珈琲の効能は以上の通りです。
しかし持続力は低く、定期的に摂取しないと洗脳状態が解けてしまいます。また、一度の珈琲で完全に洗脳することも出来ません。
珈琲の詳細な生産方法は、単行本7巻の時点では伏せられていますが、大量生産は難しいようです。
生き人形のルール
- ”生き人形”はシャドー家に対して忠誠以外の心を持ってはいけない
- ”生き人形”も”シャドー”も勝手に館から出ることは禁じられている
- ”生き人形”はシャドーの「顔」としてのみ存在する
- 「余計なこと」を考えるのはシャドーに対する反抗である
- ”生き人形”はどんなことがあってもシャドーに忠誠を誓わなくてはならない
- ”生き人形”同士が仲良くする必要はない
- ”生き人形”は顔を傷つけてはならない
- ”生き人形”は「ポートレイト」を着たら私語を慎み、主人の感情表現に励まなくてはならない
シャドー家には数多のルールが存在しますが、中には”生き人形”にのみ適用されるものも多くあります。
ほとんどのルールは”生き人形”の部屋に置いてある「生き人形への説明書」に記載されており、「喜びの会」にてシャドー家への忠誠を誓うルールを復唱します。
生き人形の生活
”生き人形”の生活は過酷です。なぜならば、忙しくすることで余計なことを考えさせない仕組みになっているからです。
朝5時から大掃除をし、その後は自分の主であるお影様の部屋の掃除をし、お影様の身支度を手伝い、「顔」としてシャドーに付き添い、夜も部屋の片づけや就寝の準備、繕い仕事が待っています。
自由な時間はほとんどありません。洗脳されていると、掃除することも楽しく、シャドー家に仕えていることを幸せに感じますが、珈琲を摂取しないでいると息苦しさを覚えるほど辛いものです。
生き人形の部屋
個室は与えられていますが、基本的に施錠されており、掃除や集まりのある時だけ「顔の見えない人形」によって開錠されます。
窓がないので、日の光が差し込むことは有りません。ベッドは棺桶のような箱で、顔のところに格子窓がついています。
壁には”生き人形”の説明書がたくさん貼られており、シャドー家のルールや掃除のことが書かれています。
自分の主であるシャドーの部屋とは「すすとりの間」を挟んで階段を降りたところに位置しており、主人のシャドーが禁止しない限りは自由に行き来することが可能です。
生き人形の食事
生き人形の食事は非常に質素で、最低限の栄養補給しか保証されていません。パン1つしか配給されないことも多々あります。
シャドー達が食べているパンはふわふわで白くてきめが細かいですが、”生き人形”たちが食べているパンは、すごく硬くて口の中の水分が奪われるほどの違いがあります。
ただし”星つき”の所属班になると、お肉などの豪華な食事を食べることができるようになります。