シャドーハウス

シャドーハウス【10巻】ネタバレ・感想!ケイトの出生

2022年3月18日に発売されたシャドーハウスの【第10巻】の、あらすじ・ネタバレ・感想をまとめています。

顔のない一族である「シャドー」。

そしてその”顔”の役割を果たす、お世話係の「生き人形」。

シャドーと生き人形が貴族のまねごとをして暮らす、奇妙な館の謎とは……

※以下ネタバレを含むので、先に無料で読みたいという方は下記から無料で読む方法をご覧ください。

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シャドーハウス【10巻】のあらすじ

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この先ネタバレを含みます。アニメ派の方や未読の方はお気を付けください。

シャドーハウス【10巻】のネタバレ

【107話】独白

キャサリン様

あるところに貴族が住んでいました

人々は誰もその者たちの素性を知りません

なぜなら知る必要がないからです

「ミラーハウス」は誰でも歓迎される理想の場所

領地には少しずつ村が増え栄えていきました

キャサリン様はとてもお優しい方でした

侍女である私もとても良くしていただきました

キャサリン嬢がご懐妊されました

お子様がお生まれになるのを館中が楽しみにしていました

お祝いとして珍しいペットが献上されました

「モーフ」

…こんな奇妙な妖精が存在したことにみんな驚きました

喜ばしいことの裏で原因不明の魂が流行りました

何人も床に伏せお亡くなりになる方もいました

ミラー家の方々が原因究明に働いていましたが解決の糸口はつかめなかったようです

私はキャサリン嬢が病にかからないようお子様が無事生まれますよう毎日祈りました

ある日事件が起こりました

襲い来るモーフ

いつの間に増えたのでしょう

どこからかモーフが現れ館中の人々に襲いかかったのです

私はキャサリン嬢を連れて館から逃げました

あれはきっと誰かが起こした事件…なぜならモーフとともに逃げる者を追う人影も見えたからです

キャサリン様とお腹の子を守ることに必死でしたので

他の人たちは逃げ切れたのか私にはわかりません

行き先は私の実家のある集落しか思いつきませんでした

身重でありながらもキャサリン様は毅然とした様子で旅を続けました

ようやく集落に着く頃には

キャサリン様はまるでモーフの様に動かなくなってしまいました

お腹の子もだめかもしれない…と覚悟しました

しかし不思議なことにこのような状態になってもキャサリン様の脈はあるのです…!

でもこのまま恐ろしいモーフになってしまうかもしれない…

そのまま実家へ連れていくことは出来ず

かつて祖母が住んでいた洞窟の咲にある小さな家にキャサリン様を匿いました

不思議でした

キャサリン様はただ静かに眠り続けていました

そこからはミラー家の領地が見えました

あの恐ろしい妖精が追ってくるかもしれない…

私は怯えていましたが杞憂だったようです

周囲からもそんな噂は聞こえてきません

ただ長い歳月の中

段々と霞がかってきた気がしてきて不気味でした

ミラーハウスの人たちがどうなったのか気がかりでしたが

もう二度とあの場所に戻ろうとは思いませんでした

そんな生活を続ける中気づいたのです

キャサリン様のお腹がわずかに膨らんできていることに

ケイト、誕生

信じられません

キャサリン様が起こした奇跡なのでしょうか?

嬉しさ半分恐ろしさもありました

あの妖精が生まれるのではないかと

毎日様子を見に行きました

本当にゆっくりお腹は膨らんでいきました

その日は突然やってきました

ついに!キャサリン様のお子様がお生まれになったのです

あの事件から50年の月日が経っていました

この子はキャサリン様の忘れ形見…

キャサリン様の愛称から

ケイトと名付け

私の孫として育てることにしました

まとめ
  • 誰かが意図的にモーフでミラーハウスを襲わせた
  • モーフに襲われ繭に包まれたキャサリンだったが、侍女が必死で助けたおかげで完全な一体化は免れた
  • しかし侍女の実家に着く前にキャサリンはモーフの様に全身真っ黒になり長い眠りについた
  • 事件から50年後、キャサリンから子供が生まれ、侍女はケイトと名付けた

【108話】生い立ち

出生の秘密

わたしが生まれてすぐ母は死んだらしい

わたしは村で人間として育った

幼い頃はわたしにも顔があったから

でも…

最初は指先、そして腕全体、最後には顔を含む全身が真っ黒になったケイト。まるでモーフの様に。

体からは「すす」が出て、寝ているだけなのにベッドが汚れた。

もう友達とも会えない!誰にも姿を見せられない!

ケイトの体に異変が起きたのは12歳を過ぎたころだった。

ひと月もしないうちに村にいられなくなり、その時に初めて、キャサリンの侍女はケイトに出生の秘密を伝えた。

ごめんなさい
 話すべきではないと思っていたの
 貴方は普通のこどもだった…
 もう事件のことは忘れようと
…」

ケイトに謝罪する、キャサリンの侍女。

彼女は自分が祖母だと偽ってケイトを育ててくれたのだ。

秘密を話した後も、毎日村からケイトの家に通って世話を焼いたし、外に出られないケイトにたくさんの本を持ってきてくれた。

しかし、「いつか、ミラー家の誰かが迎えに来るまで辛抱してね」と、ケイトを安心させるためにウソをついた。

ミラーハウスのある島に戻れば何かわかるのか。しかし、戻るには歳を取りすぎてしまったとキャサリンの侍女は独りごちる。

祖母とケイト

「ケイト お薬を塗るわよ」祖母(キャサリンの侍女)の言葉に、「わたしは人間なの? 人間じゃないの?」と問いかけるケイト。

祖母は言葉に詰まりながらも「…ケイトを人間として育てたわ」と返す。

体がから大量の「すす」を出す「薬草なんて無駄よ!」と叫ぶケイト。

体から出るこれは何?
 今わたしが怒っているか泣いているのかわかる!?

わたしはもう二度と人のいる場所では暮らせない!
 何故わたしを見捨ててくれなかったの!
 どうして何も考えずわたしを育てたの!

祖母に憤りをぶつけるケイト。祖母は、自分には特別なことは何もできないが、ケイトを立派に育てることだけを考えてきたわと話す。

でもどうすれば正しかったのかわからない
 …私のような貧しい村の娘がキャサリン様に仕えられたことが誇りだった…
 キャサリン様が大好きだったわ
 だからどうにか…
 お役目を果たしたかった…

キャサリン様は動かなくなる前にこうおっしゃったわ
 生まれた子を守って欲しい
 私にとってもケイトは大切な存在なのよ…

祖母はそういうと、そっとケイトを抱きしめた。

旅立ち

祖母は何も悪くない。しかしケイトは、人目を避けて生きる生活に違和感を拭えなかった。

もう祖母と一緒にいてはいけないと思った。

ケイトは、50年も前に身ごもった母親から生まれた異常な存在だ。

ミラーハウスのあった島や館がどうなっているのか、ほとんど情報はないがそこに行けば居場所が見つかるかもしれない。

人間として生きられないケイトの唯一の希望は、ミラーハウスしかないのだ。

自分が何者なのかを知りたいと強く考えたケイトは、13歳を迎えた日、祖母には何も告げず家を去った____。

まとめ
  • 50年も前に身ごもった母親から生まれたケイト
  • 12歳を過ぎたころから体が黒く染まり出し、一ヶ月と経たないうちに全身が真っ黒になった
  • 13歳を迎えた日、ケイトは何も言わずに家を後にした

【109話】シャドーハウス

船の上で

すす島行きの船が出るぞー」ケイトはなるべく顔が隠れるよう、フリルが大きめの帽子をかぶり、人に紛れて乗船した。

船には、ミラーハウスがあるすす島へ移住するための下見をする人たちがたくさん乗っていた。

噂によると、「すす島」は貴族の私有地で、今は観光や移住が盛んで飢えて苦しむ人は独りもいないようだ。

長らく絶たれていた島と館の交流は、数年前に再開しているらしい。

50年前のミラーハウスは開かれた館だったようなので、今は事件のあと再建しているのかもしれないとケイトは考えた。

「お嬢ちゃん ひとりですす島に?」夫婦に話しかけられたが、ケイトは自分の顔を見られないように「…怖い…!」と演技をして手で顔を覆った。

真っ黒の顔を見られては困るからだ。

いやあ こどものひとり旅とは!驚かせてすまなかったね」「やっぱりこどもは歓迎されているんだわ。学校にも無償で通えるらしいのよ」夫婦はケイトに謝り、島への期待に胸を膨らませているようだ。

ケイトの育った村では、学校に通える子は少なかった。ケイトは通わせてもらっていたが、村から馬車で隣町まで行かないといけなかったからだ。

祖母は、ケイトの母が身に着けていた宝石を売り、ケイトが苦労しないように育ててくれたのである。

「すす島」では学校が無償だなんて裕福な島なのね…と考えるケイト。そして、祖母へと想いを馳せた。

置手紙はしてきたけれど、挨拶もせずに出て来てしまったのだ。

すす炭

こんにちはー!すす島最大の観光地スモークゲートへよーこそー!」ケイト達の乗る船が着いた。辺りには「すす」が充満している。

「汚いところだな…」とこぼす客に、「最初はみなさんそうおっしゃいますよー!」と、案内の女性が明るく答える。

ただこれが今後世界を変える新しいエネルギー事業になりますからねー!
 この島でしか作られない効率的なエネルギー源!
 すす炭!!
 気分が良くなる!
 吸ってもむせない!
 クリーーーーーーンなエネルギーーーーー!

案内人の女性は、思い切り「すす」を吸い込み、体験コーナーへと皆を案内する。

「すす炭」を持ってみて、軽さに驚く客に「従来の石炭に比べて輸送効率も格段に変わりますからー!」と案内人。

でもなんかなぁ汚いのは嫌だなぁ」ネガティブな意見の客に、しばらくすれば慣れると案内人は説明する。

「すす炭」の素晴らしさを分かってもらうために、スモークゲートではより多くの「すす炭」を利用しており、他の地域では全く気にならないという。

汽車の代金も大陸と比べるとかなり安く、寒い季節も「すす炭」のおかげで温かく暮らせる上に、学校も無償だと熱く説明する案内人。

船の上でケイトに話しかけてきた夫婦は、他の村も見に行くようだ。

ケイトは1人、宿へと向かった。宿の中も「すす」で汚れているが、ケイト自身も汚れを出してしまうのでかえって好都合だった。

すす炭…すす島…「すす」とは一体何なのか。自分から出る汚れも「すす」と呼ばれるものなのか。

祖母に聞いたモーフはどこへ行ったのか、モーフは「すす」と関りがあるのか。思案するケイトだった。

ミラーサイドへ

二日間に渡って街を散策し、聞き耳をたててみたけれど、領主の館であるはずの「ミラーハウス」という名前を一度も耳にすることがなかったケイト。

自分の顔を見られないように気を付けながら、「ミラーハウスへ行きたいのだけれど」とケイトは街の人に話しかけてみることにした。

? ミラーサイドのことか? 汽車で行けるぞ」どうやら街の住民は、領主が住むはずの館のことを知らないようだ。

それにしても、この島の人はとてもほがらかだと考えるケイト。

普通よそ者にこんなによくするだろうか。観光地にしたいからだろうか。それにしてもみんな人当たりが良すぎるくらいに笑顔を絶やさない

ミラーサイドは、祖母によるとミラーハウスの近くにある村だ。

ケイトは汽車に乗り、ひとまずミラーサイドへ向かうことにした。

途中の駅で、船の上で一緒だった夫婦が偶然乗ってきた。

夫婦は、島のあちこちを観光しているという。

「ここは素晴らしい島だな!」と旦那。「さっそく移住しなくちゃ!」と妻。

知ってるかい? ここに住んでいるこどもたちは『館』で働けるかもしれないんだって

旦那の言葉に、ハッとするケイト。館とはミラーハウスのことだろうか。

汽車に乗っていると、領主が住むと言われる館が見えてきた。

ほら…!あれよ あれが…! シャドーハウス

夫婦がさした館は、かつてミラーハウスと呼ばれていた館だった____。

まとめ
  • すす島は貴族の私有地で移住を歓迎している
  • 「すす炭」のおかげで汽車も安く乗れる

【110話】奇妙な不文律

ミラーサイド

50年前の事件の後、一体ミラーハウスに何があったのか。

ミラーハウスは今はシャドーハウスと呼ばれているようだが、自分が何者かという答えはきっとその館にあるはずだと考えるケイト。

しかしミラーサイドへの道のりは遠いものだった。馬車は1日1回しかなく、最寄りの駅から大人の足でも徒歩2時間以上かかるという。

地図によると、ミラーサイドは昔からある集落で、主な産業は衣服の製造だという。

観光・移住向きではないようだが、辺りの湖は綺麗だった。自然の中なら「すす炭」の煙もない。

ようやくミラーサイドに到着したケイト。

子どもたちが、道一杯に広がって遊んでいる。避けて通ろうと道を逸れると、「おねーちゃん そっちは駄目!」と子供が駆けてきた。

よく見ると、道の横に「黒い杭」が打ってある。この杭の向こうへは入ってはいけないらしい。

黒い杭は森を囲うように打たれていた。

そっちはシャドー家のしゆう地なの。他の人のおうちは勝手に入っちゃだめでしょ? それと同じ
 あと森にはこわい妖精もいるんだよ
 人の姿に化けて顔をはぎとる顔なしの妖精

子どもの言葉に、モーフのこと!?と考えるケイト。しかし聞いていた話とは少し違う。

村の外に出たいとは思わないのかというケイトの問いかけに「ここが一番良いところだよ」と子供たち。

「…外行ったことある?」続けて尋ねるケイトに「ないよ でもわかるの」と子供は答えた。

『決まり』だから
 それに幸せだもん

そういうと、子どもはにっこりと笑った。

村の人

子どもたちと別れ、道を歩いていると「ミラーサイドに観光なんて珍しいな」と村の人が話しかけてきた。

「サーカスが来ているから?」という問いかけに「そうよ」とケイトは話を合わせる。

「あとミラーハ…シャドーハウスを見学したいと思って」と言うケイトだったが、村の人は「それは無理だ 領主様だぞ? そうそう会えるはずがない」という。

崖沿いにある線路が、唯一館に繋がっている道のようだ。

「…あんな場所にあって館ではどうやって生活しているのかしら?」と尋ねるケイトに、館には農場があるから困ることは少ないと説明してくれた。

列車が来るのは何かしらの用事があるときくらいだという。「明後日の選別会とか…その日はシャドー家からすす炭が配られわしらは食料や服などを献上する」

「選別会?」ケイトが聞き返すと、村の人は懇切丁寧に教えてくれた。村の人は悪い人には見えない。聞けばなんでも教えてくれる。

しかし子供も大人もシャドーハウスに疑問を持たずに暮らしている。決まり事を深く考える気もない。よそ者を迎え入れると言っているのに、思考が閉鎖的なのだ。

すす列車に忍び込めばシャドーハウスに入れるかもしれないと考えるケイトだったが、すす列車の停まるホームにも黒い杭が打ってある。

選別会の日は杭の手前から村人がお迎えするようなので、見通しが良すぎるこの場所で変な行動を取ればすぐにバレてしまいそうだ。

しかも選別会は明後日なので時間がない。

自分自身が選別会に紛れようかとも考えたが、姿を見られずに入るのは厳しいだろう。シャドーハウスは崖の上にあるので歩いて行くのも難しように見えた。

祖母の話では、かつては馬車で移動出来たようだが今はそういった道も無さそうだ。

ケイトは、シャドーハウスの私有地だという森の奥に入ってみることにした。モーフの存在も示唆されているので、何かあるかもしれないからだ。

ミラーサイドの森

…もし もしミラー家を襲った恐ろしいモーフが森の中にいたら…』恐る恐る森の中を進むケイト。すると話し声が聞こえてきた。

森の周りには、シャドー家の私有地であることを示す黒い杭が打たれている。従順な村人が黒い杭を超えて入るだろうか。それともシャドー家の人間か。

トランクを茂みに隠し、ケイトは話し声のする方へと走る。目立たないようにするために、服には葉っぱを巻き付け、顔を隠す帽子は取った。森は暗いので、この方がバレにくいだろう。

声のする方をそっと覗いてみると、何者かが大きな筒を降ろしていた。

引き渡すのに十分な数だね」「しかし選別会の時期に外部の者がいるのは不安ですね」「サーカスのことかね?

外部から来るものを受け入れることも大切だよ
 シャドーハウスの素晴らしさはいずれもっと広い世界に知れ渡っていくべきだからね
 シャドーハウスは次のステージに進んでいるのだから

人がいなくなってから、ケイトは彼らが森に置いていった筒へと近づいた。

蓋を開けてみると、中にはモーフが複数閉じ込められていた

一体この村は…何をやっているの!?

まとめ
  • シャドー家の敷地部分には黒い杭が打たれており勝手に入ってはいけない
  • シャドーハウスへは崖の上を通る列車でしか行くことは出来ない
  • 選別会などの用事がある時のみ列車が通る

【111話】森に潜む影

モーフ

複数の小さなモーフが入れられている筒に、草木を投げ入れてみるケイト。

するとモーフは、蜘蛛の子を散らすように逃げる様子を見せたが、草木に害がないと分かると枝を持って振り回し始めた。

見た目も思ったよりは怖くないし、危険な妖精だとも思えない。

あなたたちは…何者なの?

ケイトは問いかけてみたが、反応はなかった。言葉は通じないようだ。

祖母や村の人から聞いた印象とは違い、なんだか弱そうな妖精と言う印象を受けるケイト。

ミラーハウスで事件を起こしたことや、顔を剥ぎ取るだとか…エピソードは違っても、危険な妖精という共通認識があったのに、実際のモーフは捕らえられている。

モーフの入った筒の蓋を閉じ、ケイトは考える。

やはり祖母が言っていたように、何者かがモーフを利用して起こした事件なのではないか。

先ほど、モーフを運んできた人物が『明後日引き渡す』と言っていた言葉が気にかかった。明後日は、シャドーハウスへ行く子供たちが選ばれる選別会の日だ。

服や食料を献上すると言っていたがモーフ達もなのだろうか。こうなったら一か八かやってみるしかない…。

湖畔で一人黄昏ていると、「おはようございます!」とケイトに話しかける者がいた。

突然のことに驚いた時、突風が吹き、ケイトの被っていた帽子が飛ばされてしまい、真っ黒の顔を見られてしまう。

これがケイトとエミリコの最初の邂逅であった。

黒い布を探して

エミリコに顔を見られた翌日。もし村に自分の噂が広がれば、ケイトの作戦も台無しになる。

ケイトは黒い布を求めて、ミラーサイドの村の中を歩き回っていた。

ドレス工房ならば布をたくさん扱っているから黒い布も1枚くらい手に入るかもしれない。

と、その時ケイトの目の前に一枚のチケットが飛んできた。チケットにはサーカスと印字されている。

チケット落としたぞ」眼鏡をかけた男の子(ショーン)がチケットを拾い上げ、黒髪短髪の女の子(ラム)にそれを渡した。

ケイトが様子を窺っていると、「選別会に参加できるのは13歳まで それを過ぎたらこの村で働くしかないんだ」と何やら少女を説得している様子だった。

2人の会話を聞きながら、島の外からは自由に入れるのに島で外部と交渉するのはシャドーハウスだけというのは変だと感じるケイト。

子どもたちも皆、館に入ることに憧れているようである。

大陸から移住を誘って「すす島」へ、島から村へ、そして村から館へ…。一体、こどもたちを集めて何をする気なのだろうか。

シャドーハウスに近づくことは危険に思えたが、ケイトの体をこんな風にした原因だけでなく、連れていかれる子どもたちにも何かがあるのだとしたら、危険を冒してでも館に行く価値は十分にあると考えるケイト。

しかしドレス工房の外の廃棄所を漁ってみるも、黒い布を見つけることが出来ない。

いっそ工房に入り込むべきか。しかしただでさえ顔を見られたら危険な状況なのに、村の施設で物を盗んだりしたら致命的な失敗になりかねない。

そこでケイトは、先ほど見かけたサーカスのチケットのことを思い出した。

外部から来たサーカスであれば村とも関係がないし、布もありそうだ。

ケイトが、サーカスのテント内にて黒い布を探していると今朝あった少女に再会した。

まさか待ち伏せされていた…!?』と警戒するケイトだったが、エミリコは「やっぱり私は死んでしまうんですか…?」と目に涙をいっぱい浮かべてケイトに問いかけてきた。

エミリコと話し、黒い布を手に入れたケイト。

彼女はおかしな子だったが、この村の人間よりよっぽどまともだった。

モーフに紛れて

黒い布に身を包み、全身真っ黒になったケイトは、自衛のためのナイフ以外の荷物は村に置いていくことにした。ナイフは布の裏側に縫い付けておく。

先ほど、エミリコから貰ったエミリコお手製のぬいぐるみは、お守りにすることにした。

森に再び向かい、モーフの入った筒の蓋を開けるケイト。そして意を決して、その中に飛び込んだ。

黒い布を頭からかぶることによって、モーフに紛れることにしたのだ。

モーフらは、ケイトが入ってきても特に気にしていないようだ。

温厚な妖精だからなのか、ケイトが黒い布を被って変装しているからなのか、それともケイト自身が人間ではないからなのか…。

筒の中は檻になっていた。

しばらくすると、ケイトやモーフの入った檻は台車に乗せられ、炭鉱道のような道を通ってどこかへと運ばれていった。

まとめ
  • モーフのふりをして単身シャドーハウスへ乗り込むケイト

【112話】入館

潜入

ケイトやモーフが入った檻は、どうやらそのままシャドーハウスへと列車で運ばれるらしい。

檻の中からは、『選別会』で選ばれた子どもたちが汽車に乗り込む様子も見えた。

やがて列車が止まり、檻は顔の見えない人形によって館内のどこかに運ばれ、真っ暗な部屋の中に入れられた。

部屋にはいくつかの台が置いてある。出入口は開かない。

ケイトが辺りを見回していると、誰かが部屋にやってくる物音が聞こえた。

やってきたのは、顔の見えない人形と子どもたちだ。子供たちは気を失っているのか寝ているのか、ぐったりとしている。

そして子供たちは、それぞれ空いている台の上に一人ずつ寝かせさせられた。

その中には、ケイトがサーカスで会った子もいる。

新たな”生き人形”として健やかに育ってくれるといいわね

蝶のような飾りをつけた女性(ソフィ)が、そう言い放つ。しかし彼女も、そして彼女の後ろにいる大男(ジョゼフ)も、全身真っ黒で顔がなく、ケイトと同じ様子をしていた。

自分と同じ存在がいたことに、色めくケイト。この二人は仲間だろうか。彼らに尋ねれば、自分が何者なのか分かるだろうか、人間に戻ることは出来るだろうか。

思わず二人に近づこうとしたケイトだったが、焦っては駄目と自答する。味方かどうか、じっくり見極めないといけない。

すると、一体のモーフが枝を振りながら女性のシャドー、ソフィに近づいた、「枝なんて振って…おバカさんかしら」

しかし「大きくて丈夫そうね。優秀なシャドーにならないと勿体ないわ」と言葉を続ける。

ソフィの言葉を受けて「モーフを選別するのは我々の仕事ではない。優秀な個体が勝手に育つのを待つだけ」とジョゼフ。

必要なのは偉大なるおじい様の役に立つ者のみ

そう言うと、2人はその部屋から立ち去った。

食事

長い時間が経ち、空腹を覚えるケイト。

すると「…ここは?」とエミリコが起きあがった。その瞬間、大きな羽を付けた女性のシャドー、ソフィが再び部屋のドアを開けて入ってきた。

さあ食事の時間よ。服を着替えてテーブルにつきなさい」彼女の言葉に、モーフも人間について動いている

珈琲を飲まされる村のこどもたち。

あなたたちはシャドーハウスで作られた”生き人形”
 シャドー家のお役に立つために存在している

女性はそう言うと「おやすみなさい」と部屋から出ていった。

乗っ取り

しばらく経ったが、部屋から出られずどこにも脱出できないケイト。もう一体どれだけ日数が経っているのか分からない。ずっと同じことの繰り返しだ。

始めは不可解そうにしていた子どもたちも、今は言われるがままに過ごしているだけ。

そもそも”生き人形”とはなんなのか。彼女らは、村で見かけた子どもたちのようだが…と考えるケイト。

この部屋でずっと過ごしていたら衰弱してしまう。館の人が自分の姿を見れば、もしかして仲間として受け入れてくれるかもしれない。

と、その時だった。

明かりをつけて!」毎度部屋に訪れる、蝶のような羽をつけた女性のシャドー、ソフィの声が部屋に響いた。

どうやら、ネズミが入り込んでいたようだ。しかし囚われた2匹のネズミのうち、片方には顔がなく真っ黒である。するとソフィは、生きているネズミを壁に投げつけて殺した。

はあ…”生き人形”以外の生き物がここに入り込んでは困ります
 ほらネズミになんて擬態して…これでは台無しよ

そう言うと、床に転がっている別のモーフを蹴り上げる。

残念。死んでいるモーフもいるわ
 生命力のない個体だったのね
 ネズミと一緒に片づけて頂戴

そして「生きのいいすす…ああ勿体ない」と言うと、シャドーとなったネズミの方をぺろりと飲み込んだのだった。

その様子を見て背筋を凍り付かせるケイト。

シャドーハウスに住んでいるのは素晴らしい貴族であると聞いていたが、まともではない。

彼らが味方のはずがない。

ミラーハウスがシャドーハウスに代わった理由…それは乗っ取られたからだと結論付けるケイト。どうやら味方はいないようだ。

モーフの習性

ケイトが考えを巡らせていると、一体の人間の形を模したモーフが一人の人間に近づいた。

あら?ペアの誕生ね」とソフィ。

このモーフは、ケイトが投げ入れた枝を気にいっていたモーフだ。姿かたちがまるで人間のようになっている。

集団でついてまわるのがモーフの習性なのかと思っていたケイトだったが、どうやら時間が経つにつれて一人に一匹がつくシステムのようだ。

モーフは他の生き物に擬態して、擬態したモーフはペアとなった子どもとこの部屋を出るのだ。

ケイトは、エミリコの背格好が自分に似ていたことを思い出した。

まとめ
  • シャドーハウスがミラーハウスになったのは乗っ取られたから
  • モーフは他の生き物に擬態する
  • 擬態に成功したモーフはペアとなった子どもと部屋を出ることが出来る

【113話】一対の条件

エミリコへの擬態

エミリコが寝ている台の前に立つケイト。

わたしがこの子に擬態したふりをすれば…この部屋から出られる…!

ケイトはエミリコに合わせて自分の髪を切った。黒い布に縫い付けていた、護身用のナイフが役立った。

モーフとエミリコ達が閉じ込められているこの部屋は、たまに適当な掃除をされるだけで基本的には散らかっている。

モーフが持ち込んで興味を失ったものや人間が脱いだ服、そして食べこぼし。

これなら黒い布やナイフを捨てていってもバレないだろう。

しかしエミリコから貰った、お守りの人形だけは捨てるわけにいかなかった

ケイトはそっと、エミリコの服のポケットにそれを忍ばせた。

人間になる生活

さあ次の部屋へ
 新しいペアのたんじょうね…凄いわ
 今回の子は形がもう出来上がっている

エミリコに扮することで、ケイトは無事にエミリコと部屋を出ることが出来た。

次に二人が通されたのは、机とベッドのある部屋だった。

ごきげんよう
 こどもたち
 ここは貴族の館シャドーハウスです

挨拶をするのは、今度は眼鏡をかけて女教師風のシャドーだ。

彼女はケイトらに、まずお風呂に入るように言った、

監獄のような生活だったから、これで漸く人間らしい生活を送れそうだと期待するケイト。

エミリコと共にシャワーを浴びるも、サーカスで会った時とは打って変わってエミリコからは感情の類が一切抜けてしまっていた。

シャワーを浴び、洋服を着るように言われるケイトたち。

自分自身も着替えても良いのかと戸惑うケイトだったが、モーフが姿かたちや行動を模倣する習性なら今エミリコと同じように自分も服を着るべきだと考える。

「…じゃあ次はお散歩ですよ」どうやら、ケイトの選択は合っていたようだ。ほっと胸を撫でおろすケイト。

ケイトとエミリコはその後、同じ一つの部屋で生活について学び、一つのベッドで寝食を共にした。

”人間らしい生活”というより、”人間になる生活”を学ばされた。つまりこれは、モーフが人型の貴族だと錯覚させるプログラムなのだ。

それならば、ケイトもそれに沿って段々知識をつけていくフリをすれば良いというわけだ。

同じベッドで肩を並べながら、ケイトはエミリコのことを不憫に思った。

可哀そうに…何度も強調して”生き人形”と言われ全てが管理されものを考えられなくして催眠をかけられているのかも

しかしケイトにとって、この辛い旅でエミリコに出会えたことは心の支えになったのである。

『必ず貴方も助けるからね』と誓うケイト。

…名前
 聞いておけばよかったわ

ケイトはそう考えながら、そっとエミリコの手を握った。

シャドーの教え

エミリコとの共同部屋での生活が続いてしばらくした後。

ケイトは見知らぬ部屋で目覚めた。

お守りのぬいぐるみは、服に隠しておいたおかげでケイトのポケットに入っていたが、エミリコの姿はなく、部屋には鍵がかかっていた。

ふと、一冊の本に目を留めるケイト。それはシャドーの教えについて書かれた本だった。

シャドーハウスは人々に慕われる素晴らしい貴族
 あなたはそのシャドー家の一員 貴族である誇りを持ちましょう
 シャドーの一人称は名前でなければなりません
 ”生き人形”はあなたの道具
 世話係であり「顔」です
 ”生き人形”を使いこなしましょう
 あなた自身の価値を高めることにも繋がります

ケイトは思わず本を床に落としてしまった。一体、何年かけてこんな歪んだ世界が作られたのか。

ウソで塗り固められた館。連れてこられた子供たちだけでなく、島中が騙されている。

ケイトは、感情を失ってしまっていたエミリコの笑顔を思い出していた。助けられるのは自分だけなのだ…。

ミラーハウスはかつてケイトの家族が幸せに暮らしていた場所だ。ケイトしか、このシャドーハウスの真実に気づいていないのならばやるしかない。

シャドーのルールが大事だというのなら、完璧にこなしてみせる。その上で、ミラーハウスを取り戻す!

そう、かたく決意するケイトだった。

再会

ケイトは、ひとまず自室に置いてあった本を読んで見解を深めることにした。

こびりつき”とは、すすから出る悪意の塊のことを言うようだ。掃除を怠ると発生すると、本には記載してある。

本当に…最低な身体だわ」と独りごちるケイト。村で暮らしていた時は、祖母が毎日掃除をしてくれていたから”こびりつき”を見かけなかったのだろう。

この館では、寝ている間に誰かが食事や着替えを用意してくれている。ルールによると”生き人形”の仕事のようだが、まだエミリコは姿を現さない。

つまり、今はおそらくモーフをシャドーにするプログラムの最終段階なのだろうとケイトは考える。

そのうち何か変化が…と考えながら部屋にあるドアノブを触ってみると、なんと鍵がかかっていなかった。

本には、”お披露目”前のシャドーは勝手に部屋を出ていけないと書いてある。

今はルールに従った方が良さそうだ。部屋から出ることを諦めると、壁の一部が回転扉となっていたようで、そこから一人の少女が現れた。

おはようございますケイト様

部屋に入ってきたのはサーカスで出会ったあの少女だった。

ケイトの名前を呼んでくれたことで、自分のことを覚えているのかと喜ぶケイトだったが、

はじめまして
 ケイト様にお仕えする”生き人形”です

とエミリコ。目には一切の光がない。

「頑張ってお掃除しますね」と言うエミリコの腕を掴み「脅されてこんなことをやっているの?」と問いかけるケイトだったが、「ケイト・シャドー様は貴族なのですからどうぞごゆっくり」とエミリコ。

自分はケイト・シャドーではないと否定し、ひどい目にあったのでしょう?とケイトは尋ねる。

自分は味方であるという事を話しながら、エミリコがサーカスでくれたぬいぐるみを見せてみる。

貴方とまた会えて本当に嬉しいわ!
 ふたりでこの館の秘密を暴きましょう!
 シャドーハウスはおかしいのよ!

しかしエミリコはケイトの腕を振り払い「誰にそんな恐ろしい嘘を吹き込まれたんですか!?」と叫んだ。

ケイト様…
 シャドーハウスは絶対です!!

自分を睨みつけてくるエミリコに、ケイトは思わずその場にへたりこんだ。

これがシャドーハウスなのだ。

まとめ
  • エミリコに擬態したふりをして部屋から出たケイト
  • しばらくは”人間になる”ための授業を一緒に受けたケイトとエミリコ
  • プログラム完了後、エミリコからは感情が消えうせ別人になっていた

【114話】あなたの名前は

同じことの繰り返し

おはようございます!ケイト様!
 はじめまして!ケイト様にお仕えする”生き人形”です!

エミリコの挨拶に、戸惑うケイト。「貴方昨日ここにきたでしょ?」と尋ねるも「いえ今日が初めてです」とエミリコ。

ケイトに向かって声を荒げたことをすっかり忘れているようだ。記憶が混濁しているのかと考えるケイト。

毎日毎日、エミリコは朝になると同じ挨拶を繰り返した。段々、この異常な状況が日常になっていく。

もしかしてこれは、モーフが貴族という立場のシャドーに、人間が”生き人形”になるために記憶を改ざんしていく期間なのだろうか。

エミリコは、いつの間にかシャドーハウスの”生き人形”になってしまった。

甲斐甲斐しく身の回りの世話を焼いてくれるエミリコに、ふと自分の祖母重ねるケイト。

「わたしのためになぜそこまでしてくれるの?」と呟くと、

”生き人形”はご主人様のお役に立つためにいます

と、まるで出会った時のような笑顔で言うエミリコだった。

エミリコは本当は人間なのに”生き人形”だと思わされ、記憶をなくし、自分の名前も言えずにひたすらに働かされている。

サーカスのテントで「また会えると嬉しいです!」と言ってくれたエミリコ。

この時のエミリコに、自分もまた会いたいと強く願うケイトだった。

せめて名前を聞いておけば何かを思い出すきっかけになったかもしれないのに…と後悔するケイト。

命名

名前と言えば、とケイトはハッとする。本には、シャドーは”生き人形”には名前をつけましょうという記載があった。

本によると、”生き人形”の名前は重要ではないようだ。そのため、覚えやすい名前をつけるようにと書いてあった。

例えば自分の名前の愛称や、自分の名前に近い簡単なものだ。

ケイかケイティか。シャドーハウスの教えに従うのであれば、これらの名前が無難だ。危ない橋を渡る必要はない。

しかし、名前が重要でないのであれば、どのようにつけても違反ではないはずだ。

貴方は貴方という個なんだから
 貴方と私は別人なんだから

ケイトは、少女に「…名前をつけなくちゃね」と話しかける。「貴方は少し変わっているところがあるから」

エミリコ
 今日から貴方はエミリコよ

ケイトの名づけに、「いい名前です…!私はエミリコです!」と喜ぶ少女。

必ず…必ず元の貴方に戻すわ!
 貴方が過去を思い出してこの全てを伝えられるときを待ってるから

再会

自室にて、真実をエミリコに語り終えたケイト。

…これがケイト・ミラーの生い立ち これまでの全て
 エミリコ…また会えて嬉しいわ!

そう言うと、ケイトとエミリコは抱き合った。

まとめ
  • エミリコという名前は、個を大事にするためにつけた

【115話】エミリコ

影響

ケイトは、今までのことや真実を黙っていたことを詫びた。

エミリコが記憶を取り戻さない限り、これを全部理解するのは難しいと思い黙っていたのだ。

そんなケイトに「謝らないでください」とエミリコ。

ただ「いえあの…少し残念…」と言葉を漏らした。

エミリコはケイトのことを、マリーローズの様に過去の記憶がある『特別なモーフ』だと思い込んでいたのだ。

自分自身の影響を受けてケイトのようかお影様が生まれたのではないかと少し誇らしく思う気持ちもあったという。

えへへ やっぱりそんなことなかったですね
 ケイト様は元から立派なケイト様でした!

少し悲しそうに笑うエミリコに「わたしだってエミリコの影響は受けているわよ」とケイト。

モーフが極端な性質なだけで、『影響を受ける』ことは人間同士だって普通にあることだと言葉を続ける。

例えばショーンだって、他のこどもたちだってエミリコの影響を受けて変わってきている。

わたしはずっとそばにいるのよ
 今のわたしが『立派なケイト様』に見えるなら
 それはエミリコのおかげなの

ケイトはそう言って、エミリコの肩にぽんと手を置いた。

自分はいつも行き当たりばったりで、感情的だし何度も作戦を失敗しそうになったと話すケイト。

でもそのたびにエミリコに救われたわね」と伝える。

無計画で祖母の家を飛び出し、シャドーハウスへの潜入も軽く考えていたというケイト。これほど強大な敵だとは、ケイトは想像だにしなかったのだ。

それに何事もなかったように暮らす祖母にわたしはひどく怒ってしまったわ」とケイトは省みる。

当時のケイトは、シャドーになったことに戸惑って他人の気持ちを想像する余裕もなかったという。

祖母は館の恐ろしさが分かっていたから戻ろうとしなかったのだろう。「わたしを守るためだったこと…今ならわかるわ

名前の由来

祖母に謝りたいというケイトに、エミリコはなんという名前のなのかと尋ねた。

…エミリー
 わたしの大切な人…

ケイトの祖母は、名をエミリーというのだ。

エミリコにはエミリコであって欲しいから、エミリーから少し捻っておかしな名前にしたという。つまりエミリコの名前の由来はケイトの祖母なのだ。

喜び、そして選別会でケイトと書いてしまったことを謝罪するエミリコ。

ケイトは、それを聞いて人と謎が解けたという。”珈琲”で忘れさせられていたはずなのに、ケイトの名前を知っていたことがずっと不思議だったのだ。

たまたま教えたケイトの名前を使ってエミリコがシャドーハウスに入り、それで名前が交換されてケイトに戻ってきた。

まさか誰にも気づかれず本名を使えるなんて幸運だったわね」とケイト。そしてエミリコに名前が無かったことに驚いたと言葉を続ける。

サーカス以前のことは覚えているのかというケイトの問いかけに、孤児だったのであちこちを転々としており、名前はその都度適当に呼ばれたというエミリコ。

でも今は過去を悲しむ必要はありません
 ケイト様に貰ったエミリコという名 これがわたしの本名です!
 それがとっても嬉しいんです!

エミリコの言葉に、過去にとらわれる必要はないと復唱するケイト。

エミリコは色々なことを気づかせてくれるわ
 自分が何者かを決めるのは今のわたし
 辛いことばかりだけどシャドーハウスで大切な仲間が出来た

ケイトは同期のことを振り返った。

これから

館を取り戻したらエミリーを迎えに行こうとエミリコ。とはいえ、島全体が乗っ取られているのでそう簡単な話ではない。

島に来たことは気づかなかったが、すす炭の煙にも”珈琲”に似た効果があるのだろうとケイトは推測する。

島の人間が従順なのは疑問を持つことをやめて、余計なことを考えなくなっているからだ。

シャドーが姿を見せる事こそないが、島自体の暮らし自体は豊かだし不信感は抱きにくいのかもしれない。

しかし実際は不気味だったとケイト。汚れた街を誰も気にする様子が無かったからだ。

島の中には、村人のフリをしたシャドーが紛れ込み、扇動しているのだろうと推理を続けるケイト。例えばスモークゲートにいた案内人の女性も怪しい。

そして”珈琲”は、すす炭以上の強い催眠効果を持ち、記憶や感情を奪ってシャドーや”生き人形”といった突拍子もないことを信じさせている。

エミリコは大部屋での生活のことや、ケイトとの二人の小部屋のことは覚えていないでしょう?と尋ねるケイト。

エミリコの館での最初の記憶は、既にケイトに仕えているところからだという。

”珈琲”の催眠効果とすす炭の効果はすごいが、だからこそそこに穴はあった。

ケイトのような催眠の効かない外部の者を想定していないから入り込めたのだ。”シャドー”が島の外からやってくるなんて館側も想像だにしなかっただろう。

強大な敵だけど綻びを見つけることができれば勝てる見込みはあるはず…」とケイトは続ける。

シャドーハウスはまだ完ぺきではないと思うこと、ただし50年前と比較するとはるかにシステムが作り上げられているであろうこと。

急がなくては
 シャドーハウスも成長している

止められなくなる前に、まずこどもたちの棟を団結して大人に立ち向かうと決意するケイト。

一方、大人の棟では

ほう…それは本当か

とエドワードから何らかの報告を受け、ジョゼフがタバコをふかしていた。

エドワード
 お前も一度見てくると良い
 島の様子を

まとめ
  • すす炭にも珈琲のような催眠効果がある
  • エミリコの名前は、ケイトの祖母エミリーからきている

シャドーハウス【10巻】の感想

まさかケイトがもともとミラーハウス(シャドーハウス)の出身だったとは。50年の月日を経て生まれたというのがまた奇妙ですね。

ケイトの母が、一体化の途中でエミリーに助けてもらったからなのか…。

今回は点と点が戦で繋がるような巻でした。なぜケイトが色々詳しかったのか、これで分かりました。ケイト自体が外から来たシャドーだったからなんですね。

しかし、作中でケイトも言っていましたが、敵は思ったより強大で島丸ごと催眠にかけられているようなものだけど、一体どうするのか…。

11巻も楽しみです!

>>シャドーハウス11巻のネタバレ・あらすじはこちら

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