謎が謎を呼ぶシャドーハウス。そもそも「シャドー」とは何なのでしょうか。人間そっくりに精巧に作られた”生き人形”は、まるで人間みたいですよね。
こちらの記事では、シャドーハウスの正体について解説しています。シャドーの目的やシャドーハウスの在り方について知りたい方は必見です◎
この先ネタバレを含みます。
なるべくストーリーのネタバレは避けて解説していますが、何も知りたくないという方はご注意ください。
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Contents
シャドーハウスとは?
シャドーハウスとは、貴族のまねごとをして暮らすシャドー達の館です。シャドー一族には、顔がないため、彼らは「顔」として「生き人形」を従えています。
その「生き人形」は”偉大なるおじい様”によって精巧に作られたとされていますが、実際のところは”人間”です。
近隣の村から子どもたちを献上してもらい、その子供たちの記憶を奪って人形だと思い込ませているのです。即ちシャドーハウスとは「人攫いの館」なのです。
シャドーとは?
シャドーとは擬態・模倣を得意とする寄生型の妖精”モーフ”のことです。
モーフの時点では人の姿・形はしていません。
シャドーの目的
シャドーの目的は、”生き人形”と一体化することです。”お呼ばれ”という一体化の儀式にて”生き人形”とシャドーは一つの箱に入り、シャドーが”生き人形”の体を乗っ取ります。
即ち大人とは一体化が済んだシャドーの事であり、”お呼ばれ”が終わると生き人形の意識は消える(=死ぬ)のです。
大人になったシャドーは、シャドーとしての黒い顔と”生き人形”の顔を自由に使い分けが可能になり、「おじい様と共にある棟」で暮らすことになります。
モーフがシャドーとして人格を得るまで
第一段階 | ”生き人形”を見せることで人の姿を認知し擬態させる |
第二段階 | ”生き人形”の側に置き、ふれあいによって人格を得る |
第三段階 | すす能力の覚醒と一体化、つまり”生き人形”の体を乗っ取り「顔」を得る |
モーフがシャドーとして人格を得るまでの流れは”偉大なるおじい様”によって築かれました。第一段階は、モーフに”生き人形”を見せて、モーフの記憶を上書きし”生き人形”そっくりに擬態させます。
第二段階は、”生き人形”の側で「おやすみのキス」などのふれあいによって人格を得るのが目的です。そして”お披露目”試験でシャドー家にとって有用な人材かどうかが見極められ、試験に合格すると成人になります。
そして第三段階で”生き人形”の体を乗っ取らせ「顔」を奪うのです。これは”お呼ばれ”と呼ばれていますが、実際のところはシャドーと生き人形の”一体化”で「おじい様と共にある棟」で行われます。
一体化は失敗することもある
”生き人形”との一体化を目的とするシャドーですが、失敗することも有ります。
そもそも第二段階で人格を習得出来ないこともあり、その場合は元から生命力が弱い個体だと判断され処分されます。
第三段階では「完成の箱」と呼ばれる木箱に入り、1~2週間ほど籠ります。
幼虫が蛹になり羽化するイメージですが、中にはうまく一体化できないこともあり、その場合はシャドー”生き人形”共に命を落とします。
モーフだったころの記憶
モーフは生き人形を擬態し、人格を得ることでシャドーになりますが、多くのシャドーはモーフだったころの記憶を持ちません。
何故ならばシャドーになると、人格がそのまま上書きされてしまうからです。
しかし数少ないながらも、モーフの頃の記憶を持つシャドーも存在しており、単行本7巻時点では2体判明しています。
シャドーと生き人形の関係
シャドー家では、”生き人形”はシャドーの「顔」であると同時に、それぞれの主人に仕える専属のメイドのような存在です。
”生き人形”はシャドー家の掃除、そして自分の主人であるシャドーの身の回りの世話を任されており、そこには明確な主従関係があります。
しかし実際は、シャドーが”生き人形”に影響されるという性質を持っています。シャドーを模して「生き人形」が作られたのではなく、「生き人形」をシャドーが真似ているのです。
シャドーと「生き人形」の名前
シャドーはそれぞれ「生き人形」に名前をつけています。しかしシャドーにとって”生き人形”の名前は重要なものではありません。
そのため、マリーローズの”生き人形”はローズマリー、パトリックの”生き人形”はリッキーと言ったように、自分の名前に似たものか愛称を、便宜上の名前として与えています。
ところが実際の本当の名前は逆であり、主人公であるエミリコの実際の名前はケイトです。しかし現段階ではその事実を知っているものは少ないので本当の名前で呼び合ってはいません。
シャドー家のルール
- ”生き人形”にシャドーの服を着せてはいけない
- ”お披露目”前は、シャドーだけで部屋から出てはいけないし他のシャドーと交流してもいけない
- ”生き人形”も”シャドー”も勝手に館から出ることは禁じられている
- ”生き人形”も”シャドー”も深夜に外出してはいけない
- 「すす能力」は”星つき”と自ら覚醒した者のみが知る情報で他言してはいけない
- 「図書室」などの趣味の部屋ではノートに滞在時間を記さないといけない
- 「おじい様と共にある棟」に行ったシャドーのことは口に出さないのがルール
- 一体化したシャドーは秘密保持のため「こどもたちの棟」へ入ることは禁じられている
シャドー家には数多のルールが存在します。
自由に過ごすことが出来るようで、実際のところはシャドーハウスに軟禁状態で、少なくともこども時代に館の外に出ることは許されていません。
シャドーの各部屋に鍵はかけられてはいないものの、「顔の見えない人形」による見張りが立っている場合もあります。
シャドーの教え
- 偉大なるおじい様は絶対である
- シャドーは”生き人形”を従えること
- シャドーは”生き人形”との触れ合いを大切にすること
- シャドーは主人としての威厳を保ちつつ「顔」との相性を良くすること
「シャドーの教え」とは、シャドーの自室に置いてある教本で”お披露目”前はシャドーはこれを読んで勉強します。
「シャドーの教え」に「すす」に関する記述は極端に少なく、一方”生き人形”の部屋に置いてある「生き人形への説明書」では館への忠誠心や”生き人形の存在意義”が強調されています。
”偉大なるおじい様”という呼び方
”偉大なるおじい様”という呼び方は、シャドー家の呼び方です。
”生き人形”は、以下の呼び方をしなくてはなりません。
シャドー家を統率するシャドーハウスの王
私たち生き人形の生みの親
偉大なる創造主様
”生き人形”が気軽に呼ぶと存在を穢すことになるので、”偉大なるおじい様”のことはそもそも滅多に口に出してはいけない存在です。
シャドーハウスの仕組み
シャドーハウスは、大きく分けて「偉大なるおじい様」と「大人」、そして「こども」から成ります。
大人たちが住まう”偉大なるおじい様と共にある棟”と「こどもたちの棟」は「栄光の廊下」によって分断されており、自由に行き来することは出来ません。
「栄光の廊下」は”星つき”もしくは管理者しか通ることは許されておらず、そもそも大人たちは一体化の秘密保持の為に「こどもたちの棟」に立ち入ることは禁止されています。
成人するまで
成人するまでのシャドーは、与えられた自室から自由に出ることは出来ません。他のシャドーとの交流も許されておらず、”生き人形”と触れ合って過ごします。
そして”お披露目”試験”にて、人格を得ることが出来ているか、”生き人形”がシャドーの「顔」の役割を果たせているかがチェックされます。自我を獲得できなかった場合は、処分(=死)されます。
無事”お披露目”試験に合格すれば成人となり、他のこどものシャドーと自由に交流することが出来るようになります。勿論行動は基本的に常に”生き人形”とセットで「顔」なしで個人行動することはめったにありません。
こどもたちの棟
星つき | こどもたちの棟のリーダー。現在4対いる。 ※トップはバーバラとバービー |
救護班 | すす病やケガの治療をする「慈善活動」を目的とした特別な班 ※班長はスザンナとスージー |
研究班 | 館の役に立つものを開発する「知識の探求」を目的とした特別な班 ※班長はオリバーとオリー |
こどもたちの棟は、星つきのリーダーであるバーバラ(とバービー)がトップです。班は基本は3対か4対で構成され、”星つき”を除いて現在12班存在しています。
救護班と研究班は、それぞれ”星つき”であるスザンナ(とスージー)、オリバー(とオリー)が班長で、”星つき”の所属班は大掃除が免除だったり、”生き人形”も豪華な食事を摂ることが出来るというメリットがあります。
おじい様と共にある棟
3階の住人 | おじい様の右腕とも呼ばれる、人の「顔」を奪い、一体化した存在 |
2階の住人 | 「顔」との一体化済み。”3階”への昇格を狙う |
1階の住人 | 「顔」との一体化済み。お迎えされたシャドーが始めに住む階。 |
”お呼ばれ”され、無事一体化が成功するとシャドーは大人と呼ばれる存在になり、自由に顔を出したり引っ込めたりすることが可能になります。
大人は「おじい様と共にある棟」に住んでおり、上の階に住めば住むほど立場が強くなります。そのため多くの大人のシャドーは3階に上がることを目標としています。